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スルガ銀行 かぼちゃの馬車の不正融資に関しての感想

 

女性用シェアハウス「かぼちゃの馬車」の購入資金に対する、ローンを提供していたということで、スルガ銀行に関する話題が続いています。

これまでの経験から、個人的な意見を述べたいと思います。

 

スルガ銀行の不正とは?

スルガ銀行の不正についての内容は以下の通り。

スルガ銀行の融資方針として、購入対象物件の価格の9割がローンの上限であり、1割以上の自己資金が必要。つまり1億円の物件を購入する場合、10百万円以上の自己資金+90百万円までのローンという格好となる。

しかし、実際には自己資金ゼロであるにもかかわらず、通帳を改竄し、自己資金を10百万円以上を保有しているように見せかけていたということである。

そして、仲介業者は物件価格を本来の価格よりも1割釣り上げて銀行に提示し、物件価格満額のローンを引き出すようにしていたということである(1億円の物件水増しで1.1億円×0.91億円)。また、収入を多く見せる為に、源泉徴収票の改竄も行っていると見られている。

 

 

スルガ銀行は、こういった行為を組織的に行っていた可能性があり、金融庁からの立ち入り検査を受けている。

 

 スルガ銀行の不正についての見解

私自身の経験から言うと、組織的に行っていた、もしくは上層部が黙認していたということのどちらかしか考えられない。

 

通常、特定の企業に関わる融資が増えた場合、債務者個人の信用力だけではなく、該当する企業の信用力も調査するのが一般的である。今回の場合でいうと、スマートデイズ社になる。

 

スマートデイズ社がサブリースを行うということで、債務者個人の信用力が乏しくても、融資出来るということが、今回の案件の重要なポイントである。

つまりサブリースの提供者であるスマートデイズ社が、信用力の一部(今回の場合は信用力のほとんどの部分)を肩代わりしていたのである。

同社の売上高は20137月期に44500万円だったが、20173月期には3169600万円(16年に決算期変更)まで急拡大しているという新興企業であり、財務的な裏付け、物件の稼働率など、多角的に検証する必要がある。

 

スルガ銀行が、同社に対する検証をどこまで行っていたのかは不明であるが、仮にスルガ銀行に対しての虚偽の情報を提供していた場合でも、実地での物件の稼働率などを確認すれば、かなり早い段階で問題を把握出来ていたと考えられる。

 

更に、そもそも不動産業を行っていて、売上が4年で80倍程度に膨れ上がるという段階で、常識的に懸念を抱くはずである。

 

これらの点を考えても、見て見ぬ振りをしていたのか、今回の不正に積極的に加担していたのかのどちらかしか考えられない。

 

これらを踏まえて、同行の行為は非常に悪質であると考える。

 

債務者個人の責任については? 

上記の通り、銀行に貸し手としての責任があることについては一定程度認めるものの、個人の自己責任の部分も大きいと考えている。

そもそも、自己資金が非常に少ない中で、巨額のローンを借りるという点で、借り手側はリスクを認識すべきである。

個人がスマートデイズ社に対する、信用を確認するのは困難かもしれないが、だからといって盲目的に仲介業者や銀行の言葉を信用してしまった点では、やはり責任があると考える。過大なリスクを抱える投資については、「銀行が言っているから大丈夫」などと安易に考えるのではなく、慎重に検討する必要があるといえる。

 

感想と注記

今回の件で、銀行が消費者を欺く行為に、加担していたことには残念でならない。こういった事件を起こしてしまうことで、更なる規制の強化につながっていき、消費者の利便性の向上が遠のいてしまうことを懸念してしまう。

 

尚、今回銀行と債務者個人についての責任について述べてみたものの、このような詐欺的行為を行ったスマートデイズ社が最も糾弾されるべきことも併せて記録しておきたいと思います。往々にしてこの手の話では、主犯格ではない主体に対しての責任論の方が活発化してしまうことがあるので、気をつけたい。